懐かしの洋楽(6)オリビア・ニュートン=ジョン②イフ・ノット・フォー・ユー

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洋楽ヒットチャートに「ジョリーン」と「カントリー・ロード」が同時にベストテンに入り続けると言う当時(俺が中学当時)のミュージックシーンにおいて、誰もがオリビアのファンになりつつも、実際には彼女はどういう歌手なのか、当時の俺たちには謎だった。ただ不思議なことに手に入れた「カントリーロード」のSP(サントラ)盤のジャケットには、C&W(カントリー・アンド・ウェスタン)風の衣装を身に纏い、馬と戯れる彼女の写真があったから、クラスのみんなは、「何か、これいいね!」という話題になっていた。地元では「めんこい」や「どさんこ」に由来する言葉は全て道産馬に対するもので、馬愛が半端なく、サラブレット・ハイセイコーが一世を風靡したものである(ハイセイコーは襟裳の牧場で育った)。

俺はTとレコ買いを競い合う中、奴が次々とオリビアのLPを買い込み得意げになっていたので何か見返す手はないかと思っていたところ、地元のレコ屋で、オリビアの二枚組が売り出されているのを発見した。それは「クリスタル・レディー」というタイトルのアルバムで、初期の彼女の未発表曲が満載のLPであった。「これしかない!」と思った俺は得意満面でそれを買い(二枚組は高くて、手痛かったが)、意気揚々とTのもとにそのアルバムを抱えていったものである。しかし、聴いてみると、、、、。

なるほど未発表曲というだけあり、ヒットしそうな曲は見当たらず(聴き当らず)、カントリーロード(別バージョン)、レット・ミー・ビー・ゼアは入っていたものの、Tはニヤニヤして、「外したな」と切り捨てた。悲しい気持ちで家路についたが返品するわけにもいかず、俺はしばらく一応録音してもらったカセットテープをぼんやりと繰り返し聴いていたのだった。そのトップに入っていたのが「イフ・ノット・フォー・ユー」、もし君がいなかったら、というようなタイトルのラブソングだった。聞いてみると素朴な味わいのいい曲だなー、と思いながら俺なりに満足して聴いていたものだ。 後から分かったのだが、実はこの曲、ボブ・ディランが書き、ジョージ・ハリスン(ビートルズ)に提供した曲だったのだ。ただし、ジョージ・ハリスンはそこそこ、この曲をものに出来ず、更にオリビアがカバーすることになったという経緯だった。そして最近、youtubeを物色していたら、オリビアがC&W風にこの曲を歌っている映像がアップされていた。それは初々しい感じであったが、その後上昇気流に乗っていく彼女とは別の素朴さがあり、半世紀近くも経った今、いやーあのアルバムは買いで正解だったなーなどと自己正当化している始末である。

コメント

  1. Uwe より:

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