懐かしの洋楽(5)「宇宙の彼方へ」②

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ちなみにYはTと同じく中学一年の時に仲の良かった俺の友人で、俺の家の近くに住んでいて、よく遊びに行ったが、奴の家にはテクニクスの新しいステレオがあった。奴はそのステレオを最大限に駆使して、自作のラジオドラマを作っていた。その頃STVラジオの、とある番組で自作のラジオドラマを投稿するのが流行っていた。時間制限は5分間であり、そのドラマ制作にYは熱中していた。ある日ついに完成してそのカセットテープを送ったということだ。そうすると、葉書が届いて、×月〇日△時の放送であなたのドラマが流されますとの通知があったとのことだった。Yは狂喜して興奮し、俺に「聴けよ、絶対聴けよ」と言っていた。残念ながらラジオを聴き逃した俺はYのところに行ってYが自分で番組を録音したテープを聴かせてもらうことにした。Yは憮然として出迎えてくれた。そのドラマは、雪の上を歩く足音(小麦粉をタオルに入れて絞り上げる)など効果音をふんだんに使い、Yが如何に苦労してこのドラマを作ったか分かった。感動のうちにドラマは終わったが、その後、ラジオのパーソナリティーの寸評が入った。それは工夫に対してちょこっと褒めただけで、あとはいまいちの、まあ佳作だなというものであった。テープを聴いた後、Yは怒りを顕わにしていて、自分が如何にこのドラマ制作に打ち込んできたかを熱っぽく語るのであった。確かに中学生にしてみればそれは素晴らしい出来だと俺は思ったのだが、世間の風評は厳しい。無理解だ。酷評するなら自分がやってみろ、作れるものかと、俺たちは調子に乗って息巻いた後、「宇宙の彼方へ」を聴きながら、・・・我に返った。More than a feeling…そういうことか・・・と(了)。

※ちなみに「マリアン」はトム・ショルツ(ボストン)の従姉だということです。

※ちなみに、ボストンのトム・ショルツは自分の曲が認められる為に6年間、何十社ものレコード会社に何十ものデモテープを送ったが認められず、「宇宙の彼方へ」は最後の試みだったそうだ。More than a feeling…うーむ。

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